雨樋修理の費用相場はいくら?費用を安くする方法と業者選びのポイントも解説
自宅の雨樋(雨どい、雨とい)が壊れてしまい、修理したほうがいいと思いつつ、どれくらいの費用がかかるか不安でなかなか業者へ依頼できないという方もいるのではないでしょうか。雨樋修理は施工範囲や足場の設置有無などで費用が異なり、工夫次第で費用を安くできる可能性もあります。
この記事では、雨樋修理にかかる費用相場や工事期間の目安を解説するとともに、雨樋修理の費用を左右する3つの要素を紹介します。費用を低く抑える方法や業者選びのポイントもお伝えするので、これから修理を予定している方はぜひ参考にしてください。
雨樋(雨どい)修理の費用相場と工事期間の目安
さっそく、気になる雨樋修理の費用相場と工事期間の目安を確認していきましょう。雨樋修理にかかる費用や期間は施工の範囲によって異なってきます。
項目別に見る雨樋修理の費用相場
雨樋修理と一口にいっても、清掃とちょっとした修繕だけで済むのか、全体的な交換が必要なのかによってコストは大きく異なります。また、足場を組む必要があるとその分の費用も盛り込む必要があります。作業の内容別に大まかな費用相場をまとめると次のとおりです。
作業の内容 | 費用相場 |
---|---|
雨樋の清掃 | 1回につき1〜3万円程度 |
雨樋の一部補修 | 1ヶ所につき1〜3万円程度 |
雨樋の全体交換 | 10〜60万円程度 |
足場の設置・撤去 | 10〜20万円程度 |
清掃や一部補修程度であればそれほど大きなコストはかかりませんが、全体的な交換が発生する場合はまとまった費用がかかります。さらに足場設置が必要になると、最大80万円程度かかるケースもあるでしょう。
足場を組む場合は最大4日程度かかる雨樋修理
次に、雨樋修理の作業別に工期がどれくらいかかるのかも紹介します。
作業の内容 | 工期の目安 |
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雨樋の清掃・一部補修 | 半日〜1日程度 |
雨樋の全体交換 | 2日程度 (取り外し1日、取り付け1日) |
足場の設置・撤去 | 1〜2日程度 |
足場設置が必要な全体交換を行う場合、最大3〜4日程度かかると考えておきたいところです。一方、清掃や一部補修であれば1日もかからず完了するケースが大半でしょう。
雨樋(雨どい)修理の費用を決める3つの要素
雨樋修理の費用は施工内容によって異なることがわかりました。具体的には、次の3つの要素によって費用が決まります。
(1)施工範囲(部分修理か全体修理か)
雨樋修理の費用を特に大きく左右するのが、施工する範囲です。局所的な劣化や破損を修繕するだけであれば部分修理で済むため、1ヶ所あたり1〜3万円程度のコストで対応できます。清掃や傾きの微調整などで解決する場合には、さらにコストを削減できるでしょう。
一方、全体的に劣化や破損が進んでいる場合、一部を修繕しただけでは根本的な問題解決にならないケースもあります。こうしたケースでは雨樋を全体的に交換しなければならず、費用の目安は10万円以上。面積が大きく雨樋の距離も長い建物であれば、数十万円単位のコストがかかることもあります。
(2)足場の設置有無
施工範囲に次いで、費用に大きく関わるのが足場を設置するかどうかです。足場を設置する場合、設置・解体にかかる人件費、材料の調達費などがかかります。
1階部分の雨樋のみを修理するのであれば、足場を組む必要がないため費用は安く抑えられます。家全体の雨樋を交換しなければならないケースや、一部補修であっても2階以上の高所での作業が必要なケースでは足場を設置しなければならず、10〜20万円程度の足場代が上乗せされるでしょう。
足場を組むとなると、設置・撤去で各1日分の工期が長くなるため、工賃も余分にかかります。
(3)依頼先の種類
雨樋修理の費用は、修理の依頼先をどこにするかによっても変わってきます。雨樋修理を依頼する先としては「ハウスメーカー」「工務店」「ホームセンター」「専門業者」などが一般的です。ハウスメーカーやホームセンターは費用体系が明確な反面、価格は高くなりがちです。
費用を安価に抑えたいのであれば、地元の工務店や専門業者に依頼するのが得策でしょう。特に、専門業者は雨樋修理に関する知識や経験が豊富なので、信頼できる業者を見つけられれば、リーズナブルで質の高い施工が期待できます。
雨樋(雨どい)の破損を放置すると起こりうる危険とは
雨樋修理は全体交換ともなると数十万の費用がかかる場合もあります。負担が重いからといって、修理しないまま放置していると重大な事態を引き起こすかもしれません。雨樋の不具合を放置することで起こりうるリスクを紹介します。
屋根や外壁を伝って雨漏りの原因になる
そもそも雨樋の役割とは、家の屋根や外壁に降った雨水を下水や地面に流し、適切に処理することにあります。雨樋の破損を放置すると、大雨が降ったときでも排水が正常に処理されません。処理しきれなかった雨水は、屋根や外壁を伝って壁や天井の内部に侵入して雨漏りの原因となります。
また、屋根材や外壁材、目地を埋めるために使われるシーリング材などが雨水にさらされることで、屋根や外壁の劣化にもつながるでしょう。表面の塗料が早く劣化してしまうと、塗装面積によっては100万円以上の費用がかかる外壁塗装を行う頻度が高まり、経済的な負担も大きくなります。
シロアリやカビが発生して建物の劣化スピードが速まる
雨樋の破損によって正常に排出されなかった雨水は雨漏りを起こしたり、地面にそのまま溜まってしまったりします。こうした内部に入り込んだ水が床下に回ると、床下の湿度が上がって基礎に影響を及ぼします。
床下の湿度が上がると基礎部分の木材が腐りやすくなるだけでなく、湿気を好むシロアリやカビが繁殖する要因にもなるでしょう。シロアリは湿った木材を好物とするため、大繁殖して基礎部分の劣化が急速に進んでしまうリスクがあります。
また、床下や壁にカビが繁殖すると、シックハウス症候群などの健康問題を引き起こす恐れもあります。身体の弱い小さな子どもやお年寄り、ペットがいる家庭では特に注意が必要です。
雨水が隣家に流れ込んでトラブルに発展する
自宅だけの問題で済むならまだいいものの、雨樋の破損を放置した結果、近隣トラブルに発展することも考えられます。
正常に排水されなかった雨水が、隣地や隣家に流れ込んで近隣住民に迷惑をかけるケースがあるからです。直接流れ込まなくても、隣地との境界線で雨水が跳ねたために、隣家の外壁を汚してしまうこともあります。
自分の家に大きな影響を及ぼすのはもちろん、隣地や隣家にも迷惑をかけるリスクがあるため、多少コストがかかっても雨樋の不具合は早めに手を打つべきです。
雨樋修理の費用を安くするのに効果的な3つの方法
雨樋修理の重要性は理解していても、数十万円をすぐに負担するのはなかなか難しい方もいるはずです。そこで、雨樋修理の費用を少しでも安くするために検討したい3つの方法を解説します。
(1)複数社から相見積りを取って比較検討する
雨樋修理を検討する際は、複数社から相見積りを取って比較検討することで費用を安く抑えられる可能性があります。
雨樋修理の経験がない場合、1社だけに見積りを依頼しても、提示された金額や含まれる費用項目が妥当なのか判断がつきません。業者によって設定金額が大きく異なるケースもあるため、最低2〜3社程度は相見積りを依頼して比較するといいでしょう。
なお、複数の業者と個人で連絡を取り合うのは手間がかかる作業です。WEB上の一括見積りサービスを活用して、一つの窓口で連絡を取り合うようにすることをおすすめします。
(2)不具合を見つけたら早めに修理を依頼する
前章で紹介したとおり、雨樋の不具合は雨漏りや基礎の劣化につながるリスクがあります。放置すると深刻な事態に発展して、数十万円では効かないような大工事が必要になるかもしれません。
雨漏りの不具合を見つけた時点ですぐに業者へ修理を依頼すれば、最低限のコストと対策で、将来起こりうるリスクを防ぐ効果が期待できます。傷口が広がってしまう前の早めの対処が大切です。
(3)原因によっては火災保険を活用する
強風や大雪といった自然災害によって雨樋が破損してしまった場合、破損に気づいた時点ですぐに対処すれば火災保険を利用できる可能性があります。ほとんどの住宅ローンで融資を受ける際に火災保険への加入が義務付けられているため、自身がどのような内容の火災保険に加入しているのか契約内容をよく確認しましょう。契約内容によって、保険金支払いの適用条件が異なるため、詳しくは契約している保険会社へ問い合わせてください。
ちなみに、被保険者(家の所有者)の重大な過失、経年劣化による破損と認められるケースは火災保険の適用外となります。
雨樋(雨どい)修理の専門業者選びで押さえておくべき3つのポイント
雨樋修理の費用を少しでも低く抑えつつ、安心して工事を任せるには雨樋修理の専門業者(建物板金業者)に依頼するのがおすすめです。信頼できる業者を選ぶために意識したい3つのポイントを紹介します。
(1)見積りの費用内訳が詳細に記載されているか
見積りを受領したとき、費用の内訳が詳細に書かれているかどうかは、優良な業者か否かを見分ける重要なポイントです。優良な業者であれば、現地を訪問して実地調査を行ったうえで、必要な部品や稼働の数量・単価を詳細に記載してくれます。「何にいくらかかったか」が明確なので、安心して修理を任せられるでしょう。
依頼を避けるべきなのが、見積りが「一式」表示ばかりで、内容について質問しても詳細を答えてくれない業者です。こうした業者はあとから追加費用を請求してくる可能性があるため、たとえ提示額が安くてもおすすめできません。
(2)地元での施工実績が豊富かどうか
外気に直接さらされる雨樋は、設置する土地の自然環境や天候条件によって、選ぶべき材料や塗料の種類が変わってきます。雨の多い地域なのか、晴れの日が多いので紫外線対策が重要な地域なのか、あるいは雪の多い地域なのかなど、地域の自然環境ごとに適した雨樋があります。
地元密着型の業者であれば、地域の環境にも理解があるため、風土に合った施工が期待できるでしょう。また、自然環境に適した雨樋は長持ちしやすくなります。
(3)必要な部品のストックがあるかどうか
なるべく低価格かつ短期で修繕を行うには、雨樋修理に必要な部品のストックがある業者を選ぶようにしましょう。
雨樋の修理には雨樋本体のほか、支持金具などの細かな部品も必要になります。雨樋修理の実績が少ない業者だと、こうした部品を都度新たに取り寄せなければならないケースがあります。取り寄せとなれば、余計な期間・費用がかかってしまうでしょう。見積りの依頼時、修理に必要な部品のストックがあるかどうかも併せて確認するのがおすすめです。
雨樋(雨どい)が壊れないように自分でできる対策
今後、また雨樋が破損してしまうことがないよう、日頃から自分でできる対策を見ていきましょう。
雨樋を年1回掃除する
雨樋は落ち葉やホコリなどが溜まりやすくなっています。溜まったゴミを放置しておくと詰まって排水不能に陥り、不具合の要因となります。雨樋は年1回をメドに定期的に掃除を行うようにし、ゴミが溜まらないよう気をつけることが重要です。
敷地内や近隣に広葉樹が多く植わっていると落ち葉が溜まりやすいので、雨樋に落ち葉除けネットを設置するのも一つの方法です。
屋上やベランダの排水ドレンを掃除する
雨樋そのものと併せて掃除しておきたいのが、屋上やベランダなどから雨樋につながる部分にある排水ドレン(排水口)です。雨が降ると屋根やベランダに落ちていたゴミがドレンに流れ込むため、どうしてもドレン部分にゴミが溜まりやすくなります。ドレンのゴミを放置していると雨樋が詰まってしまい、不具合の要因になります。
排水ドレンは自分でも掃除しやすいので、年1回といわず、こまめなメンテナンスを怠らないようにしましょう。
雨樋の変形を見つけたらすぐに対処する
強風や雪の重みによって、雨樋に歪みや変形が生じているケースがあります。歪みや変形があるとうまく排水ができないため、より重大な不具合を引き起こすかもしれません。
自然災害があった際は、周りの状況が落ち着いてから雨樋の状態を点検します。もし点検で不具合が見つかったら、すぐ業者に依頼して対応してもらいましょう。自然災害発生後すぐに対応すれば火災保険が適用できる可能性もあります。
雨樋(雨どい)をDIYで修理するのはおすすめできない理由
「業者に依頼して雨樋を修理すると費用がかかるから、DIYで修理しよう」と考える方もいるかもしれませんが、結論からいうとDIYでの修理はあまりおすすめできません。
手の届く範囲内の小さなひび割れや欠け程度であれば、たしかにDIYで対処することも可能です。アルミテープやシーリング材で応急処置を施せば、しばらくは問題なく排水できるでしょう。
しかし、高所作業になると素人がやるにはケガするリスクが高く、決しておすすめできません。雨樋は家の排水機能を担う重要な設備であり、対応を一歩間違えれば家の劣化を進めることにもつながります。手の届く範囲外で起きている不具合や、応急処置では解決が難しい破損があるときは、無理せず専門業者へ修理を依頼しましょう。
雨樋修理にかかる費用のまとめ
雨樋修理にかかる費用は、一部修繕であれば1ヶ所あたり1〜3万円程度、全体交換が必要な場合には10〜60万円程度、足場代も含めると80万円程度かかる場合があります。
全体的に老朽化が進んでいると修理に大きな費用がかかり、経済的に厳しいケースがあるかもしれません。ただ、放置すると基礎部分や外壁の劣化など、今以上に深刻な事態になりかねません。雨樋の不具合を発見したら、できるだけ速やかに専門業者に相談することが重要です。
ハートホームでは雨樋交換の工事も承っておりますので、是非お気軽にご相談下さい!
ハートホーム社員一同、心よりお待ちしております。